SAKU-labo staff blog

神奈川県伊勢原市にある社会福祉法人さくらの家福祉農園(http://www.saku-labo.org/)のスタッフブログです。 専門的な農業の話から、採れた野菜を使ったおいしいレシピ紹介まで、スタッフが綴っていきます。

米づくり

 

 9月下旬に稲刈りが終わり、今年度の米づくりが終了しました。

 私たちが作付けをしている田んぼは、近隣の米農家さんの土地(約15a)をお借りしてやっています。例年、この地域でメジャーなキヌヒカリというウルチ米の品種と、喜寿もちというモチ米の品種を作付けしています。

  『環境保全型農業』を掲げてやっていますので、極力農薬や化学肥料の使用は避けたいのですが、やはり地域の事情というものがあるため、除草剤は年一回使用しています。

 しかし、今年度はなんと除草剤を入れるタイミングを逃したため、たまたま無農薬栽培となりました。その結果、見事に草だらけの田んぼになってしまい、担当者は苦戦しながらの米づくりとなりました。

 ただ、除草剤が入らなかった結果、面白い現象(といえるかどうか定かではありませんが)も見えてきました。

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 上の写真は、モチ米を栽培した区画で、畔波シートで区切ってあります。これは単にモチ区画とウルチ区画を区分したのではありません。モチ区画は今年度、担当者のこだわりで不耕起栽培を試みました。

 不耕起なので、地域の水路に水が引かれたときに水が入り込まないようにシートで区切ってあります。つまり代かきをして田植えをするのではなく、畑に苗物を定植するのと同様に、乾田状態のうちに穴を掘り、自家育苗した苗を植え付けています。

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 こちらは、ウルチ米を普通栽培した区画です。ご覧のように一面コナギがはびこっています(^^;)

 コナギのほかにも、タイヌビエやイヌホタルイなど(最下部の写真)も繁茂しまくっていましたが、モチ米不耕起区の雑草の状態は中程度で、ウルチ米普通区ほどでもありませんでした。

 もちろん精密な試験と異なり、反復をとっていたわけでもありませんし、一枚の田んぼの中の環境条件もかなりバラつきがありますので、単純な比較はできませんが、担当者共々今後の水稲不耕起栽培を進めるための力になりそうだと喜んでいるところです。

 ちなみにこの件について次のように考察してみました。

 
不耕起栽培区では、水を入れるタイミングを遅らせていたため、普通栽培区に水生植物が発生し始めた時期には、まだ陸生植物が生育していた。普通区に水生植物が定着する頃、不耕起区に水を入れたので、水生植物の発生する時期がかなりずれこんだ。また、そのころ普通区にはアオミドロやウキクサ類も大発生し、イネ自体の生育も抑えられ、水生植物である雑草の生育が旺盛となった。中干しを行なっているが、普通区の水生植物の生育はかなり旺盛であったため枯死する個体は少なく、再度水を入れた後も旺盛な生育を見せた。以上の結果、不耕起栽培区の水生植物の密度が低くなったと考えられる。

 と、まぁこんな感じです。

 来年度は、ウルチ米も一部不耕起栽培に挑戦してみようと思っています!

                                                           【菜園てぃすと】

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